NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
ビッグデータ解析による日本のくも膜下出血の成績と今後の課題
井川 房夫日高 敏和吉山 道貫松田 真伍大園 伊織道端 伸明康永 秀生山口 修平小林 祥泰栗栖 薫
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 25 巻 1 号 p. 1-6

詳細
抄録

 最近フィンランドから,くも膜下出血頻度はそれほど高くなく,他のヨーロッパ諸国と同程度と報告されている.最近のくも膜下出血頻度に関するメタ解析では,日本のみ増加しているが,我々の推測では軽度減少している.また,日本のくも膜下出血の治療成績は,退院時転帰不良率はクリッピングとコイリングで差がなく,死亡率はコイリングで有意に少なかった.全国的データのメタ解析ではどちらも差がなかった.日本でなぜくも膜下出血頻度が高いのか,その理由を突き詰めることが今度の動脈瘤研究にとって重要と考えられる.

著者関連情報
© 2020 日本脳神経外科救急学会
次の記事
feedback
Top